夏休みで帰省したり海外旅行に出かけたりする人も多いだろう。飛行機や車の長時間移動で気を付けたいのは、肺血栓塞栓症。いわゆるエコノミークラス症候群だ。
最近では、家の中にいても起こることがわかった。
肺血栓塞栓症は、長時間、脚を動かさずにいることで、太ももの奥にある静脈に血栓(血のかたまり)ができる。
その一部が、血流にのって肺まで飛んで、肺の血管を詰まらせてしまう病気だ。息苦しくなったり、胸が痛くなったり、重症化すると心肺停止することもある。
エコノミークラス症候群は、その名の通り、国際便の航空機でよく起きることが知られているが、車中泊をする場合にも発生しやすい。2004年に発生した新潟中越地震や、2016年4月の熊本地震では死者が出るなど、問題になった。
なりやすいのは、40歳以上で、以前に静脈血栓を患ったことがある、脚にケガをしている、がんを患っている人など。また、若くても妊娠中、出産後の女性は注意が必要だ。
長時間移動や車中泊をしていなくても、エコノミークラス症候群で死亡するリスクはあるというのが、最近の研究で明らかになった。家の中で1日5時間以上テレビを見る人は、肺血栓塞栓症で死亡するリスクが高くなるという。