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一度壊れると二度と再生しないはずだが・・・ 歯のエナメル質、再生治療に一歩前進

エナメル質大切にしてますか?(画像はイメージ)
エナメル質大切にしてますか?(画像はイメージ)

   東北大学歯学研究科・歯科薬理学分野の中村卓史准教授、小児発達歯科学分野の福本敏教授らと、米国立衛生研究所との共同研究チームは、どのように歯の「エナメル質」が作られ、さらに歯の形成を制御しているのか解明したと発表した。

   「エナメル質」は歯の外側を守る構造で、人体で最も硬い組織とされるが、口腔内の細菌が産生する酸で破壊され、進行すると「う蝕(虫歯)」となる。

   骨などの硬い組織は破壊されても再生する場合もあるが、エナメル質を作り出す「歯原 性上皮細胞(エナメル芽細胞)」は、歯が生えそろった段階で体内から消失してしまう。そのため、エナメル質は一旦破壊されると再生不可能であり、う蝕の治療でも、金属やレジンなどの人工物による修復しかできなかった。

   研究チームは、2008年の研究で、歯の発生過程でエナメル芽細胞に強く発現している「エピプロフィン」という物質を同定しており、今回の研究では、エピプロフィンが通常よりも強く発現するようにマウスの遺伝子を操作し、観察をおこなっている。

   その結果、通常は唇側だけがエナメル質でカバーされているマウスの切歯(前歯)が、遺伝子操作マウスでは舌側もカバーされていることがわかった。

   さらに、通常のマウスの臼歯(奥歯)は上下3本ずつ形成されるのに対し、操作マウスでは2本ずつしか形成されておらず、かみ合わせや歯根(歯の根っこ)の異常も確認されたという。

   こうしたことから、エピプロフィンはエナメル質の形成に関係しているだけでなく、歯の発生や形態形成を制御していることも明らかになった。

   エピプロフィンは皮膚や毛根にも存在することが確認されているが、遺伝子操作マウスでもこれらの部位にエナメル質は形成されておらず、独自の制御方法があると推測される。

   研究チームは今後この制御方法を解明し、皮膚から得た細胞を歯の細胞に人工的に誘導し、う蝕で失ったエナメル質の再生や、歯の形態修正にまでに応用できる再生医療技術を確立したいとしている。

   発表は2016年10月27日、米国骨代謝学会誌「Journal of Bone and Mineral Research」オンライン版に掲載された。

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