形成外科医・美容外科医として活躍する山下理絵先生に、美容や健康、アンチエイジングに関する相談や疑問に答えてもらうコーナー。
第1回は、女性も気になる「加齢臭」に関する質問です。
Q.ともに40代後半の夫婦です。最近、夫の体臭が気になり始め、いよいよ加齢臭かと、こっそりボディソープなどを変えてみたのですが、ニオイは変わりません。ところが先日、夫がいないときにもニオイが......気づかなかっただけで、私も臭ってたのかも!? 女性にも加齢臭があると知り、それ以来、自分の体臭が気になって仕方がありません。
A.体臭は、自分では気づきにくいので、やっかいですね。ご相談者様のご年齢から察するに、エイジングノート(加齢臭)が出ている可能性は高いと思います。
ニオイの原因は、よく知られている「ノネナール」。加齢とともに、皮脂中の過酸化脂質が増加して脂肪酸の組成が変化します。その一種のパルミトオレイン酸が酸化し、皮膚常在菌が分解されると、体臭成分である「ノネナール」が発生するのです。
この成分は、若い人からはほとんど検出されません。加齢臭は「オヤジ臭い」と言われますが、女性にも同じ現象は起こります。
ノネナールの発生を抑えるには、抗酸化作用を持つ成分を摂取するのが有効です。ビタミンCやビタミンE、カテキン、アントシアニン、イソフラボンなどを豊富に含む食物がおすすめ(表1参照)。これらの成分が手軽にとれるサプリメントを活用してもいいでしょう。
脂肪が多く含まれる食物は控えめに。日本人は従来、体臭が少ない民族でしたが、食生活の欧米化とともに動物性脂肪の摂取過多となって、体臭が発生しやすくなっています。
汗にも注意が必要です。冬でも、厚着をして暖房のきいた室内にいると汗をかくので、対策は怠らないようにしましょう。私はお風呂の最後に、手桶にグレープフルーツやレモングラスなど柑橘系のアロマオイルを1滴たらし、上がり湯としてかけるのが好きです。ニオイ対策だけでなく、気持ちもリフレッシュしますよ。