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アンチエイジング医療における美容外科――その歴史を振り返る(5)

   最近は世の中の見方も変わってきたが、以前は「美容外科」というものに対して、いろいろな形の「ためらい」があったと思う。まず古い儒教の考えかもしれないが、「身体髪膚(しんたいはっぷ)これ父母に受く。あえて毀傷(きしょう)せざるは孝の始めなり」という、つまり、親からもらった体を大切にすることが親孝行だという、手術そのものへの批判。

   そして、「やましさ」、「胡散臭さ」、「形よりも心」、「危険や失敗」ともろもろのためらいが湧き出てくる。

以前は医学会の偏見も強かった

   「やましさ」や「胡散臭さ」というのは、女性向け雑誌などに並んでいる美容外科の広告やネット上にあふれるさまざまな情報。「痛くない」「その日からすぐ仕事に戻れる」などの言葉が並んでいるのは、どう見てもアヤシイ。

めざすのは安全性が高くリスクの低い美容医療
めざすのは安全性が高くリスクの低い美容医療

   それから「形より心」という概念。今からもう40年ほど前になるが、僕自身が美容外科に関わるようになったばかりの頃は、ずいぶん躊躇があった。医学界の偏見も強く、また当時僕が在籍していたのが大学病院というしばりもあり色々迷ったものである。

   そこでこういう割り切り方をしてみた。もし僕が魔法使いだったとして、魔法の杖でパッと患者を美女に変身させることができたとしたら、そうすることには何の躊躇もないと思うのである。そうすると魔法使いと美容外科医、その違いは何だろうか?

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 ウィメンズヘルスクリニック東京 名誉院長

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