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今さらだが...QOLとは何なのか?

改めてQOLとは?
改めてQOLとは?

人生100年時代。いかに生きるか。最近、何につけても目に留まるのがこのような文字。その目指すところは?
老いに争うのではなく、いかに老いと付き合うか、そして健康寿命を保つかにあるとされている。

ただこれもあまり健康を至上目的にすると、食事の代わりにサプリをてんこ盛りにしたり、無理なジョギングをして活性酸素で寿命を縮めたり、いわゆる健康オタクになって果ては「健康のためなら死んでも良い」などと茶化されるようになる。 これは手段と目的を取り違えた本末転倒の心理と言える。

では、「健康寿命」の目的は?
言うまでもなく、それは生活の質。クオリティオブライフ(Quality of life)略して「QOL」と呼ぶのが昨今の習わしのようだ。

では、QOLとは?と問いは続く。
このところよく聞くワークライフバランス? 生活水準の向上? はたまた幸せ? 人によってそれは違うと思うが、その核に据えたいのは生きる意味、つまり「生きがい」である。

では、その生きがいとは?
自分にとっての一生大事にすることと考えるなら、現役の頃に果たせなかった趣味に生きるのも良い。また、新たな仕事を見出して第二の人生をスタートするのも良い。そして現役時代の仕事を続けるのもありである。
だが僕は「人に必要とされること」を第一に挙げたい。

父 塩谷信男 100歳の誕生日を祝う記念パーティー
父 塩谷信男 100歳の誕生日を祝う記念パーティー

それには訳がある。
僕の親父は内科医で、超多忙な日々を送り、ゴルフが唯一の息抜きだった。ちなみの83歳の時、3度目のエイジシュートを達成した腕前である。 84の時、クリニックを閉じ、熱海のマンションに移り住み、ゴルフ三昧の人生をスタートした。はじめは幸せそのものだった。しかし、半年ほどするとひどく落ち込んでしまった。
"俺はな、今まで人のために毎日暮らしてきた。それが今、好きなゴルフは楽しいが、何も人の役に立っていない。生きてる価値がない"と、親父は言い始めた。
その時ちょうどマンションで住人のいざこざがあり、最年長者として駆り出され、なんとか調停にこぎつけた。
"俺でもまだ役に立つ"と元気を取り戻した親父は、ゴルフダイジェストに「ボビーよ待っとれ」と言う連載を始め、自分の健康法を説き、全国で講演をし始めた。そして使命感を抱いたまま、106歳で生涯を終えた。
そこで僕が痛切に感じたのは、人は人に必要とされなければ生きがいを失ってしまうということだ。

だから改めて問いたい。

生きがいとは?

僕にとって生きがいとは、他人に必要とされていると感じること。たとえ錯覚でもいい、他人の迷惑にならなければ。86歳の今、そんなことを考えている。

[執筆/編集長 塩谷信幸
 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 ウィメンズヘルスクリニック東京 名誉院長

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