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化粧品のジレンマ

「〇〇というアメリカの化粧品はいかがでしょう? あまりまだ知られていないが、安いけど効果がありそうですが」というご質問を受けた。

美容医療に関わってはいるが、本業は美容外科医だったので、実は化粧品は素人である。

 化粧品にどこまで効果を求めるか
化粧品にどこまで効果を求めるか

そもそも化粧品の原材料には限りがあり、どの化粧品も9割方は成分に変わりはないという。残りの1割で差別化を図らねばならぬので、競争は厳しい。高ければよかろう、というものではない。むしろ高級感を出すためにわざと高めに設定される場合もあるようだ。

僕は学生時代に、皮膚科の講義の時に"肌にいい化粧品はない。我々は背後に化粧品会社を背負っているので、絶対そうは言わないが"と聞かされたのが、いまだに影響を残しているのかもしれない。

というわけで、化粧品業界のコンサルタント岡部美代治さんに化粧品の現況をお伺いしたところ、認識を改めた次第。
岡部さんによると、

「化粧品成分は油剤、乳化剤、高分子など多種多様あり、この組み合わせの妙が化粧品の効果と感触に差をつけています。化粧品は清潔で潤った健康で美しい肌作りが基本の基で、セラミドを始めどのように配合するかで競争しています。ということで、化粧品の原料は安全性も化粧品としての効果性も高く、種類も多いので、処方の多様性があり、競争も激しいと思ってください。価格もメーカーはその価格にふさわしいコンセプト、原料、処方へのこだわりをもって消費者に提供している。それが納得できる人に買ってもらえればよいという構図。」

だそうだ。

また最近では、美容医療や再生医療のテクノロジーを取り入れ、積極的に肌の若返りを目指す、とするものも現れてきた。

問題は効果である。化粧品は薬事法上持続的な効能効果はうたえない。また実際に効果があれば、薬に分類されてしまう。だが、開発側としてはやはり効能は追求したいし、エビデンスがあれば企業としては販売に繋げたくなるのも人情である。

化粧品の広告を、気をつけて読まれると、なんとなく効果を期待させるが、はっきり明記はされてないのに気づかれるだろう。それはこの為なのだ。

いつ頃からか、ドクターズコスメという言葉を聞くようになったが、これにもピンからキリまである。全くイメージ的に医師の名が使われているものから、実際に医師が開発しクリニックを中心に使用されるもの、さらには成分上医薬品扱いとなり、その配合には医師の処方箋が必要なものまで様々である。

最後にスキンケアについて一言。洗い過ぎはよくありませんぞ。強い洗剤の使いすぎと機械的な擦りすぎ。これで皮膚トラブルの悪循環を起こさないように。これは今や皮膚科医、美容医療にかかわる医師の常識となっていることをお忘れなく。

[執筆/編集長 塩谷信幸
 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 ウィメンズヘルスクリニック東京 名誉院長

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