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友人の輪こそ豊かなるエイジングのカギ

「友の憂いに我は泣き、我が喜びに友は舞う」
と寮歌を歌い、過ごした多感な旧制高校の寮生活。
学制改革のため一年で終わったが、その時に得た友は今でも大切な宝である。
その時々に友人はできるが、その全てに通じるものは気持ちの分かち合い、「共感」ではなかろうか。
中学に上がり、出会ったクラスメートと新しい友情が芽生えて、今も続く友人関係に育っていく過程を今でも鮮やかに思い出せる。
共通な興味の対象を見出し、それについて語り合う楽しさ。お互いの全てをさらけ出していく心地よさ。
これが「共感」の喜びである。

 社会とのつながりが自分を支える
社会とのつながりが自分を支える

富国論で知られるアダム・スミスが、それ以上に心血を注いだと言われるのが「道徳感情論」である。
そしてその初っ端に来るのが「共感」である。
我々はアンチエイジングを支える三つの柱の一つとして「社会との関わり」を挙げているが、その中心はやはり人との関係である。
個人と人との関係は、三つの同心円をイメージしてほしい。
中心は自分。
まずその周りを家族が囲む。
第二の同心円は親しい友人。
その周りを仕事や地域的に関わる知人の輪。
これらとの交わりが輪の中心の存在にとってのアンチエイジングとなり、またその存在を守ってくれる。
第一の輪の中でまず取り上げるべきは配偶者と言いたいところだが、最近はこれこそストレスの元凶ということもままあり、また結婚という制度自体が崩れかかっているので、ここではパートナーとしておこう。
それに取って代わるのが第二の輪、友人かもしれない。
これに含まれるものとして、最近はポッセという集団を取り上げる人もいる。
仲良しグループというか、気のあったもの同士の集まりである。

実は生物界にも似たような現象がある。
同種の細菌の作る「バイオフィルム」である。
これは最近が塊(コロニー)を作り、相互間に有益な物質を分泌して、住みやすい環境を作り出し、外敵の侵入を防ぐ。
実はこのバイオフィルムをいかに破壊して、細菌を絶滅させるのが感染対策の最近の重要課題だが、それは全く本題と逆の話になる。
とまれ高齢となっても色々なつながりを作り、社会と適応していくことが望まれる。
僕は精神分析医に救われたことは以前書いた覚えがあるが、彼女が言った言葉は今も心に響く。
"この狂った世界で正気を保つには、友達の存在が不可欠である。"

[執筆/編集長 塩谷信幸
 北里大学名誉教授、DAA(アンチエイジング医師団)代表]

医師・専門家が監修「Aging Style」

この記事の監修・執筆医師

塩谷 信幸
塩谷 信幸(しおや のぶゆき)

北里大学名誉教授
アンチエイジング医師団代表
NPO法人 アンチエイジングネットワーク理事長
NPO法人 創傷治癒センター理事長
医療法人社団 ウィメンズヘルスクリニック東京 名誉院長

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