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厚労省、「フレイル」(虚弱)予防強化を図り高齢者のたんぱく質摂取目標を増量

年度末が迫るなか、厚生労働省が22日に開催し報告書をとりまとめた第6回「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会では、改定の柱の一つとして65歳以上の高齢者が1日に摂取するたんぱく質の目標量の引き上げが盛り込まれた。

食事摂取基準は5年ごとに改定され、今回の基準は2019年度中の告示を経て2020年4月から現行の2015年版に代わり使用開始となる。2020年版については、栄養に関連した身体・代謝機能の低下の回避の観点から、健康の保持・増進、生活習慣病の発症予防及び重症化予防に加え、高齢者の低栄養予防や「フレイル」予防も視野に入れて策定された。

「フレイル」とは、健康な状態と要介護状態の中間を意味し、筋力低下などの身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神的問題、独居や貧困などの社会的問題といった加齢に伴う変化をひとつにまとめようという概念。海外の老年医学の分野で使用されている「Frailty(フレイルティ)」の日本語訳として日本老年医学会が2014年に提唱した。多くの人はフレイルを経て要介護状態へと進むと考えられており、現代のような高齢化社会においてはフレイルに陥った高齢者を早期発見し、適切に予防・治療することにより、自立した生活の維持を図ることが肝要とされている。厚労省は2015年版の食事摂取基準では「フレイルティ」という用語を使用したが、2020年版においては同学会の提唱を踏まえ「フレイル」に切り替えた。

2015年版の食事摂取基準では、1日の食事の総エネルギーに占めるたんぱく質の目標量は、すべての年代で一律「13~20%」としていたが、2020年版では海外の研究などを参考に65歳以上は総エネルギー量の「15~20%」に引き上げた。「フレイル」予防のためには、65歳以上の高齢者は体重1kg当たり1g以上のたんぱく質摂取が望ましいとしている。ただし、たんぱく質の過剰摂取は腎臓への悪影響や糖尿病リスク増の可能性があるため、上限は総エネルギー量に対して20%と変更しない。

第6回「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会 資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209592_00004.html

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