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受動喫煙による健康影響の「レベル1」「レベル2」とは...?

受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の一部が7月1日に施行されたことを受け、全国の学校や病院、行政機関の敷地内は原則禁煙となった。2020年4月1日に全面施行されると受動喫煙の機会が最も多いとされる飲食店・職場等も原則屋内禁煙になる。

そもそも受動喫煙は健康にどのような影響があるのだろうか。

喫煙シェアリング御無用!
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たばこの煙は喫煙による健康影響との関連では以下の3つに分類される。

主流煙(しゅりゅうえん): 喫煙者が吸い込む煙
副流煙(ふくりゅうえん): たばこの先から出る煙
呼出煙(こしゅつえん): 喫煙者が吐き出す煙

受動喫煙の直接的な原因となるのは「環境たばこ煙」(environmental tobacco smoke、ETS)と総称される副流煙と呼出煙。特に副流煙は燃焼温度が低い状態で発生することに加え、フィルターを通過しないため主流煙の数倍から数十倍もの濃度で発がん性物質の「たばこ特異的ニトロソアミン(TSNA)」やカドミウム、タールのほかニコチンやニッケルなどの有毒物質が含まれることが明らかになっているいる。

厚生労働省は2016年(平成28年)に公表した「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」 において、たばこと疾患等との因果関係を以下の通りレベル分けした上で、「レベル1」または「レベル2」と判定された疾患に関しては要約表としてまとめているので参考にしてほしい。

「受動喫煙による健康影響」(厚生労働省)
(『喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書(平成28年8月)』 第2章 要約表 『たばこと疾患等との因果関係の判定結果』より抜粋)

レベル 1:科学的証拠は,因果関係を推定するのに十分である
レベル 2:科学的証拠は,因果関係を示唆しているが十分ではない
レベル 3:科学的証拠は,因果関係の有無を推定するのに不十分である
レベル 4:科学的証拠は,因果関係がないことを示唆している

【1 がん】
肺がん: レベル 1(十分)
鼻腔・副鼻腔がん: レベル 2(示唆的)
乳がん: レベル 2(示唆的)

【2 循環器疾患】
虚血性心疾患: レベル 1(十分)
脳卒中: レベル 1(十分)

【3 呼吸器への急性影響】
臭気・鼻への刺激感: レベル 1(十分)
急性呼吸器症状(喘息患者・健常者): レベル 2(示唆的)
急性の呼吸機能低下(喘息患者): レベル 2(示唆的)

【4 慢性呼吸器疾患】
慢性呼吸器症状: レベル 2(示唆的)
呼吸機能低下: レベル 2(示唆的)
喘息の発症・コントロール悪化: レベル 2(示唆的)
COPD: レベル 2(示唆的)

【5 母子への影響】
妊婦の受動喫煙と低出生体重・胎児発育遅延: レベル 2(示唆的)
小児の受動喫煙と喘息の既往: レベル 1(十分)
小児の受動喫煙と喘息の重症化: レベル 2(示唆的)
親の喫煙と小児の喘息発症: レベル 2(示唆的)
受動喫煙と小児の呼吸機能低下: レベル 2(示唆的)
親の喫煙と学童期の咳・痰・喘鳴・息切れ: レベル 2(示唆的)
小児の受動喫煙と中耳疾患: レベル 2(示唆的)
妊婦の能動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS): レベル 1(十分)
小児の受動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS): レベル 1(十分)
小児の受動喫煙とう蝕: レベル 2(示唆的)

医師・専門家が監修「Aging Style」

【参考】

「喫煙と健康 厚生労働省喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(平成28年8月)の概要を知りたい人のために(国立がん研究センターがん情報サービス)
https://ganjoho.jp/reg_stat/cancer_control/report/tabacoo-report2016.html

「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000135586.html

「マナーからルールへ。なくそう!望まない受動喫煙。」(厚生労働省)
https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/

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