復活した性感染症「梅毒」、女性は20代が依然として突出

復活した性感染症「梅毒」、女性は20代が依然として突出 Dr. 注目

国立感染症研究所は28日、四半期ごとに公表する「日本の梅毒症例の動向について」 の最新情報(2019年第4四半期分)を公表した。

過去60年間では、12,000例に迫った1967年をピークとして減少が続き、1990年代頃からは「過去の病気」とまで言われていた梅毒。その届け出数が急激な増加傾向に転じたのは2010年だ。以後は急増が続き、2017年には44年ぶりに5千例を超え、2018年には約7千例に達した。

2019年は6,590例と減少したが、依然として1970年代を超える水準に高止まりしている。また、届け出数の「山」が20代から40代までの年齢層に分散する男性に対し、全体の34%を占める女性の場合は20代が突出して多いという近年の傾向に変わりはない。

梅毒とは…

梅毒は「梅毒トレポネーマ」と呼ばれる病原菌によって引き起こされる感染症で、主に性行為で感染する。予防には避妊具の適切な使用が有効とされているが、病原菌は口の粘膜や皮膚の傷からも体内に入るため万全な予防策にはならない。妊婦が感染すると胎盤を通じて胎児まで感染するリスクがある。母子感染を防ぐためにも早期発見と適切な抗菌薬治療は重要だ。

症状は感染部位のしこりやリンパ節の腫れに始まり、全身に菌が回り悪化すると体全体に発疹ができる。治療せず放置すると数年から数十年かけて進行し、筋肉や皮膚に腫瘍ができたり臓器に病変が起きたりし、場合によっては死に至る。

抗菌薬治療の普及により激減した梅毒だが、近年、出会い系サイトなどを通じて不特定多数と性的な関係を持つ若者の増加が梅毒を現代病として復活させたと指摘する専門家もいる。

梅毒は痛みなどの自覚症状がなく進行してしまう場合もある。感染を広げないためにも、自覚症状や心当たりがある場合はためらわずに検査を受けることが重要だ。

梅毒に関するQ&A

Q1 梅毒とはどのような病気ですか?
A1 梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症です。原因は梅毒トレポネーマという病原菌で、病名は症状にみられる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。感染すると全身に様々な症状が出ます。
早期の薬物治療で完治が可能です。検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。時に無症状になりながら進行するため、治ったことを確認しないで途中で治療をやめてしまわないようにすることが重要です。また完治しても、感染を繰り返すことがあり、再感染の予防が必要です。

Q2 感染するとどのような症状が現れるのですか?
A2 感染したあと、経過した期間によって、症状の出現する場所や内容が異なります。

第Ⅰ期: 感染後約3週間
初期には、感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができることがあります。また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。
しかし、体内から病原体がいなくなったわけではなく、他の人にうつす可能性もあります。感染した可能性がある場合には、この時期に梅毒の検査が勧められます。(後略/厚生労働省『梅毒に関するQ&A』より)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/qanda2.html

医師・専門家が監修「Aging Style」

【参考】
国立感染症研究所:「日本の梅毒症例の動向について」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m/syphilis-trend.html

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